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 文学誌 「追い風」  「追い風」第5号 
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俳句 うつろ心 ふと蝉時雨・・・・


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  くすむ天井    畔能寺 恒

  (1)

意志どおり動かぬ

口、手、足・・・もてあまして

泣き・わめき・怒鳴り

時には笑いあう

弟・息子・孫たち

やつらが働き働こうとする

掘っ立て小屋

その軒下に

体当たりした白羽の大雌雉

  (2)

山麓の大通りを青紫の羽衣を閉じて

闊歩するしなやかな雄雉

居た居た

中毒症状を起こしたカワセミ

田起こしで流れ出した泥濘

誰かが意図した汚流

それらを押し流す豪雨洪水

鯰が現れ・鮒が姿を見せ

そんな左右山渓谷の

岩場に立とうとして

足がすくんで身を伏せ

保健室の天井につらつら描いてみたが


詩情浮かばせぬ

破壊された右側前頭葉
.

「追い風」第5号より


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