横浜給食 ミニ詩集

横浜の中学校で給食を食べたい


 東京の中学校のように
 横浜の中学校でも
 温かいスープと茹でたての海鮮スパゲッティを
 食べたいと ユキが言う
 できたらいいねと 私は言う

 小学校のように
 中学校でも
 時には セレクト給食で
 リンゴのシャーベット
 オレンジのシャーベット
 アイスクリームと
 それぞれが選んだデザートを見せ合いながら
 食べたいと ユキが言う
 できたらいいねと 私は言う

 横浜市は
 かたくなに中学校給食を実施しようとしない
 市民の要望に対する横浜市のこたえ
 「中学校期になると体格・食事量など個人差が大きくなり給食などの画一的な献立よりも、子どもたちが自分の体調や栄養バランスを考慮した、個々に応じた昼食の方が望ましいと考えており、 中学校では家庭からの弁当持参を基本としています。」
 給食より弁当が望ましいと
 昂然と胸を張る 

 横浜の中学校で給食を食べたい
 これは ユキのわがままなのか
 横浜の中学校で給食を食べたい
 これは 横浜の中学生のわがままなのか
 全国八割の中学校で実施されている給食は
 横浜では わがままになってしまうのか

 横浜の中学校で給食を食べたい
 ほんのささやかな願い

 弁当を持って ユキは
 今日も吹奏楽部の朝練習に出かけていく
 栄養のバランスが取れているか
 夏には食中毒が大丈夫か
 冬には冷たくて食べづらくないか

 小学校のように
 中学校でも
 温かい味噌汁 サンマの筒煮 温かいご飯を
 食べたいと ユキが言う
 できるようにしたいねと 私は言う
 できるようにしましょうよと
 ユキの友だちのお母さんも言う
 
 小学校の栄養士から卒業生への
 せめてものプレゼント
 「弁当のつくり方」の冊子が
 わが家の台所の食卓の上にある

 もっと大きなプレゼント
 横浜市の中学校給食の実現を
 
  

 

拒否するための理由を考えるより


  一 愛情弁当論の破綻
 
 以前の
 横浜市教育委員会の中学校給食拒否の理由
 「親の愛情のこもった弁当が必要だ」
 
 これに対して
 「弁当だけで愛情をはかるのか。
  愛情の表した方を
  市教委にうんぬんされる謂われはない」と
 母親・保護者が怒った
 「夏には調理室が四十度越えることもある。
  きつい労働条件のなかでも
  愛情込めて給食を作っている」と 
 調理員が怒った

 それでも 市教委は知らんぷり
「親の愛情のこもった弁当が必要だ」
 と言い続けた。
 
 ある時から突然 愛情弁当論を言わなくなった
 「愛情弁当論はどうなったのですか
  愛情弁当論は破綻したのですか」
 市民の問いかけにも
 なにも答えなかった 答えられなかった

 中学校給食を拒否する結論が先にあった
 そのために無理やり考えた理由づけ
 愛情弁当論 

  二 自己責任論の無理

 現在の中学校給食拒否の理由
 市民の要望に対する横浜市のこたえ
「中学校期になると体格・食事量など個人差が大きくなり、給食などの画一的な献立よりも、子どもたちが自分の体調や栄養バランスを考慮した、個々に応じた昼食の方が望ましいと考えており、中学校では家庭からの弁当持参を基本としています。
 なお、業者が学校で販売する弁当又はパンを利用できるようにしています。
  また、牛乳給食及び小学校に隣接する中学校への給食の試行について、実施する考えはありません。」

 中学校のお昼ご飯に
 何を食べるか
 もしくは 何も食べないか
 それは
 君と君の親たちの責任ですよ と
 十代前半の子どもたちに
 自己責任論を押しつけて
 横浜市は
 給食より弁当が望ましいと
 昂然と胸を張る 

 学校給食は
 体格・食事量など個人差に対応できないのですか
 子どもたちの体調や栄養バランスを
 考慮していないのですか
 食物アレルギーに対応できないのですか

 中学校給食を拒否するための理由づけは
 全国の学校給食の工夫・成果を面罵する
 横浜市の小学校の給食の実践をも否定する

三 あなたも

 あなたも公務員なら
 中学生の願いを 市民の願いを
 拒否するための理由づけを無理やり考えるより
 どうしたら実現できるか考える方が
 楽しくやりがいがあると思いませんか
 どうですか

 中学校給食を実現したあと
 学校訪問をして
 中学校給食を食べて見ませんか
 校長室ではなく教室で
 中学生の生き生きとしたにぎやかさに囲まれて

  

 

声を次々と上げ続けよう


 二〇一〇年の夏は暑かった
 朝 最上階の教室などは四五度になっている
 窓を開け 扇風機を回して
 ようやく三五度くらいになる
 それでも三五度だ
 子どもも 教師もタオルを持って
 汗を拭き拭き授業を続けた
 
 暑さ対策を
 冷房を普通教室にも設置を と
 子ども 市民の声がわき上がった

 初めの頃の
 市民の要求に対する横浜市の回答
「小中学校の冷房設置については、学校周辺の状況から必要のある学校と保健室や音楽室に設置しています。全教室への設置については考えていません。」
 にべもない回答

 それでも それでも
 わき上がる声 願い
 横浜市に
 続々と冷房化をの要求が届けられた
 多くの署名も提出された

 そして 二〇一一年度の教育予算では
 「全市立学校の普通教室の空調設備について、平成二五年度までの設置を目指します。」と
 短期間で横浜市を動かした

 横浜市の中学校給食を の声を
 次々をわき上がらせよう
 署名もたくさん集めよう

 かたくなな横浜市を動かそう
 普通教室冷房化では 横浜市を動かした
 中学校給食でも
 声を次々と上げ続けよう 
  


 

横浜の中学校で給食を食べたい

    

 願い事一つ 短冊に書いた
 かなえてほしい
 横浜の中学校で給食を食べたい
 ほんのささやかな ねがいごと
 オニオンスープは温かい
 イカ エビ入りの海鮮スパゲッティは茹でたて
 ちょっとサラダもつく
  
 どうして 横浜の中学校には給食がないの
 東京の大田区でやっている中学校給食
 横浜でも 実現しようね

 願い事一つ 流れ星に祈る
 かなえてほしい
 横浜の中学校で給食を食べたい
 これは 中学生のわがままなのか
 時には セレクト給食で
 リンゴかオレンジのシャーベット
 またはアイスクリーム

 どうして 横浜の中学校には給食がないの
 隣の大和市でやっている中学校給食
 横浜でも 実現しようね
  
 願い事一つ 署名に込める
 実現させよう
 横浜の中学校で給食を食べたい
 ほんのささやかな ねがいごと
 わかめの味噌汁は温かい
 ショウガも入ってサンマの筒煮
 じゃこふりかけご飯

 どうして 横浜の中学校には給食がないの
 全国の八割でやっている中学校給食
 横浜でも 実現しようね

▼この部分を朗読かラップ風に どこかに入れる▼
 横浜市は
 かたくなに中学校給食を実施しようとしない
 市民の要望に対する横浜市のこたえ
 「中学校期になると体格・食事量など個人差が大きくなり給食などの画一的な献立よりも、子どもたちが自分の体調や栄養バランスを考慮した、個々に応じた昼食の方が望ましいと考えており、 中学校では家庭からの弁当持参を基本としています。」
 給食より弁当が望ましいと
 昂然と胸を張る 
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