遠吠え 畔能寺 恒
 
チドリアシ
千鳥ったアトの転倒
情感が
何のとらえどころもナク
千鳥っていたダケ
大して飲んじゃいないモノ
黒い灰色の白い
大地がユークリト突然
迫ってきた顔面に
上唇、両掌、両膝
流血しているアハ
アハアハ
血流剤で面白いほど流れ
黒く染める
褌とそれ以外何もつけない
二百十日過ぎの両足、両掌、
それと顎と褌
尿を幽かに漏らした
立とうと思ふ
足の捉えどころが
ナイ起きあがらぬ肢体
アハと笑ったアハあはアハ
と・・・イマ
臭い付けをススキ
野菊、背高泡立ち草
暗い左右山山腹から
してみる遠吠え
ウオゥ・・・と
声にはナラヌ
想ふヨウニハナラヌ日常
ウオゥ・・・と

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